妻をなくして2ヶ月目、緩和ケア病棟の看護師さんから手紙をいただきました。

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妻の「終の棲み家」となった緩和ケア病棟で、妻の担当だった看護師さんから心温まる手紙が昨日届きました。

今まで、妻はいくつかの病院に何度も入院してきましたが、退院後に担当看護師さんから手紙を受け取ったのは初めてなので、ちょっと驚きました。

そこには、女性らしい優しい字で病院での私の妻の思い出話や、妻に先立たれた私に対する気遣いの言葉があり、読みながら涙腺も思いっきり緩みました。

一昨日の社長からの料理本や、担当看護師さんからの突然の手紙…こんな心温まるサプライズって本当に嬉しいものです。自分はひとりじゃないんだ。こんな老いぼれでも気にかけてくれている人が何人かはいてくれるんだと、胸を熱くして思い知りました。

 

 

妻がいなくなった病室のベッドに疲れきって座り込んでいた私に「これからは体力勝負ですよ!がんばって!」と、担当看護師さんに叱責されました。

その言葉通りに悲しむ間もなく、寝る間もなく慌ただしく終えた葬儀。その後もたくさんの煩雑な後始末や、会社勤めをしながら料理、洗濯、掃除、ゴミ出しなどの家事をしてきた、結構忙しかった2ヶ月間です。なのに、この間が非常に長く感じたのです。

まだ、あれから僅か2ヶ月しか経っていないのに、妻を失ったことが、不思議なほどに遠い遠い昔の出来事だったような気がするのです。

私は決して積極的に忘れようとはしていないのですが、そこには無意識のうちに、辛い、悲しい想い出は早く記憶から消し去りたいという人間の本能が潜んでいるのかも知れません。

 

6年間近く、3つの病院で入退院を繰り返した妻の闘病に付き合い、救急車のお世話になったこともありました。病室に泊まり込み、病院から会社に通勤する日々もありました。そんな大変だったことは少しずつ記憶から消えかけています。でも、妻と暮らした38年間の想い出が今以上に薄れることは、きっとないことでしょう。

 

入院した日に「ストレス発散法は夫への八つ当たり」と妻が言っていたということが手紙に書かれていました。冗談だったのでしょうが、確かにわがままや不平不満を私によく言っていました。それが私には結構ストレスだったのですけどね。

 

今日、手紙をいただいた看護師さんに、思いの全てを伝えることはできませんでしたが、久しぶりに下手な字で返事を書きました。