突然の病院からの呼び出しで頭をよぎったのは、妻の余命宣告
昨日、妻が入院している病院の病棟師長から勤務中に携帯に電話がありました。
口腔外科の主治医が妻には内緒で家族だけに説明したいことがあるので、明日の午後、病室には来ないで総合受付に来てくれということでした。
ガン患者の妻が入院している病院からの突然の連絡ですから、
頭をよぎることは当然ひとつしかありません。妻の余命宣告です。
夕べは、心配やら、妻が死んだらどうしようという考えが頭を駆け巡り、なかなか寝付けませんでした。
こんな時って、葬儀はどうしよう、誰を呼ぼうなんてことを一番考えるものなんですね。
今日は、午後から会社を休み、足取りも重く、覚悟を決めて病院に行きました。
意外にも、早く病院に行って早く説明を聞きたいとは思いませんでした。
病院に着き、昨日、師長さんに言われたとおりに、受付に要件を通して待っていると病棟の看護士が呼びにきました。妻とばったり出くわすことがないよう用心のためか、普段は通れない職員用の通路とエレベータで3階の相談室に案内されました。警察の取調室のようなテーブルがひとつあるだけの狭い部屋で暫く待っていると、口腔外科の主治医と担当看護士3人が現れ、現在の症状についての説明が始まりました。
何だか、いやに仰々しく、重く張りつめた雰囲気に私の不安と緊張もマックスです。
これは、妻の余命宣告に違いないと直感しました。
しかし、説明の内容は、今すぐ余命がどうのこうのということではありませんでした。
可能性として、最悪の場合に起こり得るリスクを一応家族に説明しておこうという主治医の判断だったようです。
万一の場合、後でトラブルにならないための病院側の予防線ということもあるのだと思います。インフォームドコンセント(説明と合意)があったかどうかが問題になりますからね。
そのリスクの内容は、確かに妻が聞いたらショックを受けるだろうというものでした。
現在、放射線、化学療法、温熱療法で治療をすすめていますが、これが功を奏して良い方向に向かえばガンは縮小するが、効果がない場合は、それ以上の治療方法もないので、がん細胞が頸部の奥に浸潤して首の血管や神経を冒し続け、危険な状態になるだろうという説明でした。
手術もできないので、後は、痛みを抑える緩和ケアしかないということです。
どちらの方向に向かうかは、医師にも「治療を続けてみないとわからない」ということのようです。がん細胞の性質や、個人差、患者の体力などもあるので医師にも判断は難しいところでしょう。
兎に角、非常にやっかいな、難攻不落のガンのようです。
わざわざ病院に呼び出して、私にだけ説明したということは、快方に向かう可能性は低いのだろうと私は判断しました。現在行っている治療に期待が持てれば、医師は妻と同席のうえで堂々と説明するでしょうから。
医師に任せる以外に何も術はないので、「今後もよろしくお願いします」と言って退室しました。不安と緊張でどっと疲れが出ました。
後は「神のみぞ知る」で、本人にも医師にもわかりません。ただ、快方に向かうことを祈るばかりです。
今朝、女性プロゴルファーが25歳の若さで亡くなったというニュースが流れていました。私にとっては不吉なニュースでした。
若い方がガンになると進行が速いのか、亡くなる速さや確率が高くなるようですね。
私の妻(68歳)は、もう5年以上もがんと闘っていますが、35キロの体重で何とか生きながらえています。