「天皇って何?」と訊かれても、私は答えられません。

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昨日のテレビは天皇の即位パレード一色だったようです。私は全く興味はないので、ライブ中継は見ませんでしたが、ニュースはどこもかしこも、こればっかり。

どうやって数えたのか知りませんが、何でも11万9千人もの大衆が沿道に詰めかけたというから驚きです。

なぜ、わざわざ人混みの中に行って、あんなものが見たいのか私にはとても理解できません。8,000万円の立派な車に乗って、ただ素通りするだけです。

この即位に関する様々な行事の費用総額は、166億円と言われています。

 

ところで、天皇って何なのでしょうか? いくら考えてもよくわかりません。

特別な力があって国民を助けてくれるわけでもないし、楽しませてくれるわけでもありません。

天皇がいなくても国の運営が滞ることはないし、別に誰も困ることはありません。

憲法の冒頭には天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」と書かれていますが、「象徴」というのが曖昧で漠然として、よくわかりません。

「象徴」は英語に訳すと“Symbol”です。シンボルとは会社や学校で言えば、社章や校章です。だったら、日本の象徴は「日の丸」でいいのではと思うのですが。

 

 

初代天皇は神武天皇ですが、この人は日向国(宮崎県)の豪族で、戦を続けながら東に進み大和国(奈良県)に大和政権を作って日本統一をしました。

その後、「日本書紀」や「古事記」が神武天皇は天照大神(あまてらすおおみかみ)の子孫だと脚色し?、だんだん「神がかり」的なものになってきたようです。

今でも行われている「大嘗祭」という宮中行事は、天照大神に感謝して五穀豊穣を祈念する宗教行事です。

大嘗宮(儀式のためだけの仮神殿)などの建築など、大嘗祭に要する総費用は27億円です。

その他にも、「新嘗祭」など、宮中でのこのような宗教行事はいろいろとあるようです。

天皇は、おそらく当時は新興宗教の教祖的存在だったのではと思います。その126代目の子孫が昨日オープンカーに乗って手を振っていた方です。(直系ではないという説もありますが)

 

調べてみると、ますます天皇が何なのかわからなくなります。度重なる戦でたくさんの人命を奪ってきた宮崎県出身の強い豪族の子孫。はたまた、(神道)宗教の教祖みたいなもの? 

戦時中は天皇を「現人神(あらひとがみ)として崇め、天皇のためには命も惜しまずと国民は洗脳されてきました。まさに神がかりの教祖様に仕立て上げられました。

 

戦後、アメリカ占領軍は天皇制を廃止しようとしましたが、日本人は天皇をシンボルとして一体化しやすい国民なので、天皇を置いていたほうが統治しやすいという意見が多く、天皇を「象徴」として残しました。

本当にその通り、一体になってます。私のようなひねくれ者を除いて。

憲法の原案をつくったGHQの英文では“The Emperor shall be the symbol of the state”と書かれています。これは、「天皇は国の象徴であるべきだ」という意味です。つまり、天皇制は残してやるけど、その存在は単なる象徴(空/無)であるべきだよとしたわけです。

 

それにしても、よく金を喰う「象徴」です。