「バカは風邪をひかない」は本当らしい。
寒さが厳しくなって、私が勤めている会社では急に風邪ひきが増えた。
インフルエンザもひとりいた。
みんなが30歳代の若い人たちで、マスクをかけてコンコンコンと苦しそうに咳をしている。
しかし、社内最高齢の私はマスクもしてないのに、何故か風邪がうつらない。
気は弱い、頭も弱いが、免疫力だけは強そうだ。
風邪にも嫌われたのか、寄りついてこない。
昔から「バカは風邪をひかない」ということわざをよく聞く。
そのことわざの根拠については、いくつかの説があるようだ。
バカな人間は心配ごとや気苦労がないから、概して身体が丈夫であるという説がある。
つまり、ストレスは免疫機能を低下させるので、ストレスが溜まると風邪をひきやすくなる。
しかし、バカは呑気であまり物事に頓着しない。バカ=ストレスを感じない。
だから風邪をひきにくいということらしい。
また、バカは鈍感なので、風邪をひいても症状を自覚しない、気づかないという説。
知能の低い人間は体の反応が鈍いので、病原体に対する反応が生じにくいという説。
他にも、よく風邪をひく人間が風邪をひかない人間に対して妬み、羨んで
「バカは風邪をひかんでいいね」と言い始めたという説もある。
いろいろな説があるが、愚鈍でストレスをあまり感じず、
ストレスを受け流すことが得意な人間は免疫力が高いので、風邪をひきにくい。
逆に、神経質でストレスに弱く、ストレスを溜め込む人間は免疫機能が低下し、
風邪をひきやすいという説が医学的根拠もあり、説得力がありそうだ。
ということは、風邪をひかない私は、愚鈍でストレスを感じないタイプの人間なのだろうか。
自身では決してそういうタイプではなく、薄いガラスのように脆い神経の持ち主だと思っていたが・・・。
案外、歳を重ねて鈍感なタイプの人間になったのかも知れない。
少々バカでも、風邪はひかないに越したことはない。
風邪をひいて寝込むと、独り暮らしは大変だ。
食事を用意してくれる人も、薬を買ってきてくれる人もいない。
熱を出したら、何も食べずにひとりで布団の中で唸っていないといけない。
自然治癒してくれればよいが、
そのうち、肺炎になってひっそりと孤独死して、
特殊清掃人のお世話になるという可能性も大〜いにある。
バカ、阿呆、愚鈍、鈍感、うつけ・・・何と言われようが、
独り暮らしの高齢者は、バカに徹して風邪をひかないようにご用心。