がんの治療費はいくらくらい? それほど心配することはありません。

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がんになった場合の治療費は非常に高額だと思ってる方が意外と多いようですね。「がんになったら治療費が大変じゃない?」とよく耳にします。でも、そんなに心配することはありません。

私の兄は白血病、悪性リンパ腫、骨肉腫に罹患し、数ヶ月間、抗がん剤治療とレーザー治療を受けました。兄は残念ながら他界。私の妻も口腔ガンで4度の手術、入院をしました。そんな私の体験からすると退院時に病院の窓口に支払う治療費は心配する程の金額ではありませんでした。

 

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頼りになる強い味方「高額療養費制度」があります。

これは、医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた分は加入している健康保険組合や国民健康保険が負担してくれる制度です。例えば、70歳未満で月収が28万~50万円の方で治療費が100万円かかった場合の自己負担限度額は87,430円です。月収が26万円以下でしたら、いくら治療費がかかっても自己負担限度額は57,600円です。

 

他に支払いが必要なのは入院中の食事代(1食460円×3食×入院日数)だけです。20日間入院したとして27,600円です。(但し、病室を個室にした場合の差額ベッド代は全額個人負担になります)最近の病院は、重症患者でもそんなに長期間は入院させてくれません。ある程度治癒したら、後は通院で抗がん剤治療やレーザー治療をします。

勿論、保険適用外の先進医療(重粒子線治療・陽子線治療など)や未承認の抗がん剤は全部個人負担になるので、その場合は数百万円〜1千万超の高額になります。先ほど亡くなった樹木希林さんもこんな治療を受けていたようです。でも、お金をかければ多少長生きはしますが、絶対助かるというわけでもありません。お金持ちは、一般人よりもほんの少しだけは長生きするでしょうが。

 

私の妻が4度の手術・入院をした際、退院時にもらう医療費の明細を見ると手術代が50~80万円で、総額が100万~150万円程度です。しかし、病院の窓口で支払ったのは8万~10万円ほどでした。わずかですが医療保険に入っていましたので、支払った金額の2倍くらいは手元に残りました。兄の場合は末期がんだったので治療費が数百万円かかっていましたが、高齢で年金収入だけだったので、支払った額は大体同じくらいでした。

入院する前には「限度額適用認定証」を

退院時に限度額だけを支払うようにするためには入院時に「限度額適用認定証」を病院に提示しておかないといけません。これがないと、総額の3割を一旦支払い、後で健康保険組合や国民健康保険に申請して払い戻してもらうことになります。入院する際には「限度額適用認定証」をもらっておくことをおすすめします。

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医療保険には「通院特約」が必要!?

前記のように、最近の急性期病院では経営上の問題(入院基本料の逓減制)もあって、重症患者でも長期入院はさせない方向にあります。つまり、入院患者がどんどん入れ替わるほど病院は儲かる仕組みになっているのです。従って、できるだけ早めに退院させて、後は通院で経過観察・治療をするわけです。そこで必要なのが医療保険の「通院特約」です。私の場合、残念ながらこの特約を付けていなかったので、妻の通院治療費が結構負担になってます(今さら特約を付けることはできませんし)。特にガンの場合は通院治療が長引く(多分死ぬまで?)ので、「通院特約」は必要だと思います。