IBANEZ (アイバニーズ)ARTSTAR SJ300 レビュー

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またまたギターのレビューです。

といっても、このギターは製造中止になったモデルで、現在は販売されていません。

アーチトップ(表面に膨らみがある)のフルホロウボディのジャズギターです。

このタイプのギターを「フルアコ」と呼ぶ方もいますが、英語では(正確には)"Full hollow(空洞)body  guitar"です。「セミアコ」は、"Semi hollow body  guitar"です。

「アコースティック・ギター」というのは電気的な増幅装置のないギターのことですから、このようなピックアップ付きのギターを「フルアコ」とか「セミアコ」というのは間違いです。

 

私は、ジャズなんて、とてもとても弾けませんが、モダンジャズが大好きなので以前、ヤフオクで中古を買いました。新品実売価格の半額以下で買えました。

このタイプのギターは若い人にはあまり人気がないのか、他に競争入札者はいませんでした。

落札後にわかったのですが、このギターの出品者は演奏活動の他、ギター教室も主宰している地方都市の若手のプロ・ジャズギタリストでした。

プロが使っていたのだから多分いいギターに違いないと思っています。

ヴァイオリン・サンバーストの塗装をした非常に奇麗なギターで、Made in Chinaですが、作りも丁寧です。

トップはスプルースの単板、サイドとバックはフレイム・メイプル。指板はエボニー(黒檀)、ブリッジとピックガードはローズウッド製です。

バインディングもメイプルなので、高級感があります。

高価なギターと安価なギターの違いのひとつに、プラスティック製のパーツが多いか少ないかがあります。

安いギターはバインディング(ボディやネックの角に沿って付けられた縁飾り)がプラ製です。

ナットやサドルも高級品は牛骨(昔は象牙)を使用しますが、安物はプラ製です。

 

ピックアップは、定番のSuper58ハムバッカーを2つ搭載しています。

ブリッジは木製と金属製の2種類が付属しています。両方試してみましたが、それほど音の差はないようです。

ただ、金属製にはブリッジが各弦ごとに微妙に前後に調整できるようになっていて、オクターブ・チューニングを正確に合わせられます。

私は見た目で木製のブリッジを付けています。

トーンとボリュームのノブは黒檀製のものに交換、ペグも黒い物に交換しました。

テイルピース(弦を引っ掛ける金具)も木製の物に変えたいのですが、ネットで探しても見つかりません。

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半分は部屋の飾りです。

ジャズにはインプロヴィゼーション(即興演奏)というものが必ずありますが、これは生半可なテクニックではとても弾けません。それに音楽理論もしっかり頭に入ってないといけません。

ジャズギターに憧れて本を買って一応チャレンジはしてみましたが、これはとても私の手に負えるものではないなと悟り、すぐに諦めました。

ジャズは自分で弾くものではなく、名プレイヤーの演奏を聴くものだと・・・。

私のような凡才は、このギターを抱えて、せめてジャズギタリストの気分だけ味わっています。

そんな訳で、半分は部屋の置物となってギタースタンドでゆっくり休んでいます。

戦力外追放になる日も、そう遠くはないことでしょう。

それに、大きくてかなり重い(5〜6kg?)ので、つい手軽なエレガットに手がいきます。ナイロン弦のほうが指も痛くないし。

 

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音は、アコースティックギター程度に生音でも結構響きます。練習は生音でも充分ですが、やはりアンプを通したほうがよりジャジーな雰囲気がでます。

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エレキギターのように切れのある硬い音ではなく、フルホロウボディ特有のソフトで深みのある音です。

ジャズコードをポロ~ンと弾いただけで気分はウェス・モンゴメリーかケニー・バレルです。

 

IBANEZ(アイバニーズ)では今もこのARTSTARというシリーズを作っていますが、少しデザインが変わっています。