妻を亡くして10日目。雇用契約の更新をしないことを決めました。
私の両親と兄、妻の両親と妹、今までに多くの身内をなくしてきました。ペットも一度なくしました。
でも、一番淋しく辛いのは妻に先立たれたことでした。
些細なことで喧嘩ばかりしていて、決して仲の良い夫婦とは言えませんでしたが、パートナーをなくした今、これほど淋しいとは予想もしていませんでした。
それは、親や子どもよりも同居生活が一番長いからでしょうか。
私の場合、大学入学時に親元を離れ、その後は年に一度くらい里帰りして親に逢うだけでした。
また、私の子どもも大学入学からは親元を離れ、年に1~2度帰って来るだけです。
しかし配偶者は単身赴任がない限り、結婚してから死に別れるまで、ず~っといっしょに生活を共にするわけです。
37年間顔をつき合わせながら、笑いあり涙ありの様々な苦楽を共にしてきました。
私の今までの人生の中で、妻は最も長い同居生活者なのです。元々は他人なのに、共に過ごした時間の長さは、血を分けた親や兄妹、子どもの2倍以上なのです。だから、悲しみ、淋しさも一番深いのではないかと思います。
最も淋しい時間は、夕食時です。自分で食事の準備をし、テーブルに置いた妻の写真に語りかけながら一人で食べる夕食は本当に味気ないものです。
口論をしたくても、写真はニッコリ笑っているだけで何も語ってくれません。
72歳の今まで、半分は妻のために仕事を頑張ってきました。
妻をなくした今、その気力が徐々に薄らいでいくのを感じました。
今日、勤務先の社長に雇用契約の更新をしない旨を告げました。毎年10月1日に雇用契約を更新していましたので、9月いっぱいで仕事にも終止符を打つことになりました。
これから先、残り少ない余生を僅かな年金と貯えで細々と生きていきます。妻との思い出を引きずりながら。